映画「ミツバチの羽音と地球の回転」 サステイナブルな世界にしていこう
2011.03.06 Sunday
タイジュです。
週末は残念ながらファームに行けなかったので映画の紹介です。とてもいい映画ですので、強く推薦します。
渋谷ユーロスペースで、鎌仲ひとみさんの「ミツバチの羽音と地球の回転」を観てきました。
この映画では、エネルギー問題とサステイナブルな暮らしにフォーカスして、瀬戸内海の祝島とスウェーデンの2か所を取り上げています。
祝島は、若者が流出して高齢化となりつつも農漁業の1次産業で生計を立てて、サステイナブルに暮らしていますが、ここに中国電力が原発建設計画を進めようとしています。
中国電力側の論理は、国策に従って、安定的なエネルギー供給をCO2排出削減をした形(=原子力)で進めたいというもの。(日本は自然エネルギーも進めているのだろうが、現時点では原子力に傾注しているということなのかもしれない。)
つまりは、エネルギーは必要⇒原子力発電所はどこかに建てなければならない⇒影響の少ないところに建てるしかない、というロジックです。
祝島周辺は魚が産卵をして稚魚が育つゆりかごのような役割を果たしていて、海の生物多様性の高いところ(学者は「ホットスポット」という表現をされていた)であるため、原発建設するには、環境への影響が大きいという反論はできるわけですが、それでも日本のどこかにつくらなければならない・・というのも、このロジックだと正しいわけです。
このロジックの問題は、必要なエネルギーを原子力に依存するというのが前提にあるところにあります。じゃあ、どうしたらいいのか、という回答も用意されています。
映画の後半では、スウェーデンでエネルギーを循環させている都市の例が出てきます。住民が自主的に動きだして、風力発電やバイオマスエネルギーの利用などで、サステイナブルな暮らしを進めようとしています。
また、スウェーデンのストックホルムのような大都市でも、住民ひとりひとりが風力などの自然エネルギーを電力として選択できるようになっているということが紹介されています。
スウェーデン人は言います。「なぜ、日本は森林や水資源がたくさんあるのに、化石燃料(石油)を輸入しなければならないのか?」「なぜ、日本では自然エネルギーを個人が選択できないのか?すぐにエネルギー自由化を進めたほうがいいよ」と。
日本の問題は、消費者が、自然エネルギーを電力として選べないという点が大きいのではないかということ、この映画は示唆しています。。もし選べることができれば、恐らく、原子力発電なり化石燃料のエネルギーは買わないという意思表示をする人が増えるだろうし、また電力を多く消費する企業に対しても自然エネルギーを使うように仕向けていくことができるはず。
そうすれば、このような自然を破壊する原子力発電建設はなくなるのではないでしょうか。
エネルギー自由化が進まないのは、既得権益者が強いということもさることながら、恐らく様々な制約があってのことなんだろうと思いますが、少なくとも僕らはサステイナブルな生き方を志向して、そうした権利を獲得できるように声を上げていかなければならないと思います。
ぴたらファームも、サステイナブルなライフスタイルを広めることを標榜しているのですから、エネルギー問題に敏感でいたいと思います。
少なくともエネルギー自給ができないか、検討してみたいですね。